イーソリューションズの採用情報をみる

CSV──Creating Shared Value(共有価値の創造)。

企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決し、「社会価値」と「企業価値」を両立させようとする考え方だ。

2011年に、競争戦略研究の第一人者であるマイケル・ポーターが提唱したことで一躍注目を集めたが、その約10年前から、同様のアプローチを実践し続けてきた企業がある。社会課題のビジネスによる解決を目指す、イーソリューションズだ。

同社はこれまでに、地球温暖化対策として約3万5千社が参加するビッグプロジェクトとなった「チーム・マイナス6%」を、環境省、広告代理店などと共に発足。さらに日本を代表するメーカー、小売企業など27社とスマートシティ・プロジェクトを立ち上げるなど、CSVの触媒という立場で、多くの社会的意義のある事業をプロデュースしてきた。

そんな同社において、エネルギーやモビリティなどの社会インフラ領域に取り組んでいるのが、ソーシャルデザイン事業部だ。今回は、同事業部をリードする二人のマネジャーにスポットを当てる。彼らはいずれも新卒で大手企業に就職し、営業職として活躍していたという。

なぜ彼らは順風満帆なキャリアを捨ててまで、イーソリューションズで社会課題に対峙する道を選んだのだろうか。彼らのキャリアの軌跡を振り返りながら、理由を紐解いていく。


全ての関係者がWin-Winになるシナリオを描き、CSVを先導する


社会インフラからライフデザインまで、イーソリューションズが手掛ける事業プロデュースの領域は、広範にわたる。2009年には、各分野のリーディング企業とともにスマートシティ・プロジェクトを立ち上げ。ソーシャルデザイン事業部は、その旗振り役として事業を推進した。

プロジェクトに加わった企業の業種は、電力や通信、水道、不動産開発など、実に多種多様だ。最初は数社ではじまったものの、目指す方向性に共感した企業が続々と手を挙げ、最終的には27社が結集。ジョイントベンチャーを設立して各社の持つソリューションを活かし、オールジャパンとして国内外でスマートシティを創造していくことになった。

そんな大規模プロジェクトにおけるソーシャルデザイン事業部の存在意義を、事業部長の小林剛は次のように説明する。

「スマートシティ・プロジェクトもそうですが、どんな社会課題も一社で解決できるものはありません。さまざまな業種業態の企業が連携することが必要です。

そんな中で当社は、社会課題解決という大きなベクトルを示す役割を果たしています。関わる方々全員がWin-Winになるシナリオを描き、企業間の調整を通じてプロジェクトを後押しする役割を果たしているのです」(小林)

例えばスマートシティ・プロジェクトの場合、電力会社だけで必要な役割の全てを担うことはできない。エネルギーを効率化するなら、空調についても検討する必要がある。それができるのはこの企業ではないか......というように、鷹の目でプロジェクト全体の絵を描き、企業間の調整を通じてロードマップを推進するのだという。

その際に小林たちが働き掛ける相手は、企業だけではない。社会課題を解決するためには、国との連携も欠かせない。ソーシャルデザイン事業部 事業部長代理の城内あおばは、同社が果たすBtoG(Government)の役割の重要性を強調する。

「社会課題解決を加速させる企業の活動をスムーズにするために、どんな国の支援や制度があると良いかを考えて、政治家や関連省庁などに弊社としての考察をインプットさせていただきます。特に、再生可能エネルギーのような先進国と比べて制度検討に十分な余地があるテーマを扱う場合には、こうした役割が非常に求められていると感じます」(城内)

「利害関係の異なるプレーヤーをまとめ上げるのは、決して簡単な仕事ではありません。だからこそ、関係者全員がWin-Winになるように作ったシナリオに賛同してもらえたときは、非常に嬉しいですね」(小林)

 イーソリューションズの求人・採用情報を掲載しています
執行役員常務 ソーシャルデザイン事業部 事業部長 Co-CSO 小林 剛


当事者意識と粘り強さ。それが社会を変える原動力になる


社会インフラ領域で、大手企業や国を相手にリーダーシップを発揮する。そんなハードな仕事を推進する器量を、二人はどこで身に付けたのだろうか。

話を聞くと、二人とも前職での経験がベースになっているという。

小林はイーソリューションズ入社前、三菱電機で工作機械の営業をしていた。「会社の技術によらず、自分自身が価値を発揮できる仕事がしたい」という想いから、転職活動を開始。コンサル業界を中心に複数社を検討する中で、イーソリューションズは社会課題解決を標榜する点で異彩を放っていた。

少子高齢化であれフードロスであれ、社会課題と呼ばれるものには自分に何かしらの接点があるはず。それならば、どの領域でも「当事者意識」を持って取り組めると思えたことが、入社の決め手になった。

小林は、前職での営業経験が今の業務に役立っているのを感じるという。

「前職で社会人になりたての頃は、お客様から無理なお願いをされると『そんなの無理です』と答えてしまっていました。でも当時の上司は何とか落とし所を見つけて、お客様に満足していただくために努力をしていました。自分は、その背中を見ながら成長してきました。

難しい問題が発生しても、粘り強く活路を見出していく姿勢は、今の仕事でも同じように大切だと感じています」(小林)

一方、城内の前職はリクルート。「教育格差」を是正するというビジョンに惹かれて、教育業界で新規商材の法人営業をしていた。しかし、根深い社会課題を解決するためには、一つのサービスを取り扱うだけでは、解決が難しいと感じた。

「イーソリューションズに入社を決めたのは、業務改善やコスト削減というオーソドックスなプロジェクトではなく、あくまで社会課題解決に主眼を置いていたファームだったからです。

また、規模が小さく、企業としての窮屈さや制約を感じなかったこともあります。代表の佐々木が今までお付き合いをさせていただいてきた、『社会のため』という強い想いを持つクライアントや関係省庁・自治体となら、柔軟な発想で最適解を追求していけると感じました」(城内)

入社後、その点は期待通りだった。期待以上だったのは、前職での営業経験が役立ったことだと、城内は振り返る。

「目の前のクライアントや関係者それぞれの悩み・課題、ニーズを見極めて、『自分に何ができるか』を考えるという意味では、今の仕事も営業の仕事も共通していると思います」(城内)

前職から当事者意識を持ち、クライアントやステークホルダーの課題解決に努めてきた二人。
彼らはそうした営業経験を糧に、どんなときも前向きでいられるに違いない。

 イーソリューションズの求人・採用情報を掲載しています
上席執行役員 ソーシャルデザイン事業部 事業部長代理 城内 あおば


「ホスピタリティ」と「好奇心」を大切に


ソーシャルデザイン事業部で力を発揮するために、大切なもの。二人が考えるそれはまさに、営業経験者が持ち得る強みと重なっていた。

「企業や関連省庁、自治体と、様々な方々に関わらせていただいている立場だからこそ、人の気持ちに寄り添い、それぞれの成功を自分のことのように喜べるホスピタリティは、何より大切だと感じています」(城内)

「一般的に営業職には、短期間で一気に成果を出すタイプの人もいれば、継続的に成果を出すタイプの人もいますが、当社で活躍するのは後者でしょう。相手から信頼を獲得し、それを成果につなげた成功体験のある人にとって、当社はさらに大きなやりがいを感じられる場所になると思います」(小林)

そして「知りたい」というシンプルな気持ちも大切だと、城内は続ける。

「当社で培ってきたネットワークを活かし、有識者の方々に対して業界最前線のお話をヒアリングしたり、ディスカッションをしたりして、とても刺激的です」(城内)

ソーシャルデザイン事業部の仕事を心から楽しむ二人は、どのような世界を理想としているのだろうか。エネルギー関連の事業に携わる小林がイメージしているのは、2030年におけるエネルギー業界のあり方だ。

「国は2030年、2050年を一つの区切りとして、エネルギー政策を掲げています。まずは2030年の目標を達成したときに、当社の関わった企業が中心的な役割を果たしてくれていると嬉しいですね。応援させてもらった企業の成長に繋がることが、我々の一番の成果となります。

ただ、それまでに社会の状況は目まぐるしく変わっていくでしょう。新たに勉強しないといけないことや、考え方を切り替えないといけないことは山ほど出てくるはず。我々はそうした状況の中でもしっかりとプロジェクトの手綱を握り、社会課題解決の実現に貢献していきます」(小林)

背負う役割の重大さとは裏腹に、二人の声色は終始明るかった。困難な課題でも必ず解決できると信じて歩むその姿は、社会インフラ領域の企業だけでなく、日本社会にとっての希望そのものに見えた。

文・一本麻衣 写真・小田駿一

イーソリューションズの採用情報をみる


【編集後記】 編集・大柏真佑実(Forbes JAPAN CAREER)

小林氏も城内氏も、前職で営業職として活躍した。
取材後、彼らの営業経験を現職で生きる「武器」に例えたところ、
人事の女性から、「彼らにそういう感覚はありません。至って謙虚なのです」と諭された。

言葉遣い、顧客への接し方──。
取材中、両氏の言動の端々から、謙虚さが伝わってきた。

企業や専門家、政府・自治体。あらゆるステイクホルダーへの敬意と感謝、素直に学ぶ姿勢を軸に、社会課題と向き合う。
そんな彼らを前に、パナソニック創業者の松下幸之助が説いた「衆智を集める」という言葉が私の頭に浮かんだ。

小学校を中退し、丁稚奉公に出た幸之助は、つねに謙虚な心で周囲から衆智を集めることによって知識やスキルを補い、事業成功の糧とした。

幸之助のように、あらゆるステイクホルダーから衆智を得て、イノベーション創出や自己成長の原動力とし続ける。
正の循環を回す彼らこそ、多様なステイクホルダーをまとめ上げるCSVの推進役に相応しい。

彼らの謙虚さがこれから日本企業そして国の姿勢を、
少しずつ、しかし着実に変えていくことを、心から期待したい。